お香とアロマってどう違うの?
お香専門店・香源はお線香や香炉、香木などのお香関連商品を取り扱っています。
東京・名古屋の実店舗ではお客様からよく「お香とアロマってどう違うの?」というご質問をいただきます。
お香とアロマ、どちらも香りを楽しむという点では同じですが、楽しみ方や使い方に違いはあるのでしょうか?
お香コンシェルジュがそのご質問にお答えいたします!
お香とアロマ、香りと原料の違い
お香の香りと原料
お香の原料は、香木と言われる原料(伽羅、沈香、白檀)を中心に、漢方などで使われる木や木の実、蕾、葉や茎そのものを粉末にして原料として使います。また、アロマで使うような液体香料も使います。
アロマと違う点は、粉末だけの原料で作る時もあれば、粉末と液体を混ぜることもあります。そして、大きな違いは、線香タイプの場合は、火を着けるということです。お香は、煙を伴います。煙を使うことで空気(風)の流れを使い香りをより遠くへ運ぶことが出来ます。
※Through smoke(煙を通して)という言葉は、ヨーロッパでも使われていました。香水や香料をパヒュームperfumeといいますが,その語源はラテン語のper‐fumum(煙を通して,煙によって)と言われ、インセンスがいちばん古い方法であるとも考えられています。
主なお香の原料
アロマの香りと原料
アロマもお香と同様に自然の香料が使われています。花や木などの植物から香りの成分を抽出して、液体香料を主としてオイルなどを使います。
AEAJ(日本アロマ環境協会)の基準では、天然素材から有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質をエッセンシャルオイルと呼びます。いわゆるアロマオイルは合成香料を使っていたりアルコールなどの溶剤で希釈したりしており、人工香料が含まれます。
アロマの元になっているヨーロッパで使っていた原料は、液体の香料で、成分を抽出する方法として、3つあります。1.圧搾法 2.水蒸気蒸留法 3.アブソリュートという方法があります。
19世紀以前の精油の抽出方法は主に【水蒸気蒸留法】と【圧搾法】の二つでした。水蒸気蒸留法は高温の蒸気圧を利用して抽出する方法で、圧搾法は柑橘類の果実の皮に機械で傷をつけて圧力をかけて精油を搾り取る方法です。
柑橘類の果実以外の精油のほとんどは水蒸気蒸留法で抽出されていましたが、この方法は水蒸気を利用するため、水や熱に弱い繊細な香りを持つ花には向きませんでした。
19世紀の初めにベンゼンの溶剤が発見され、1873 年にフランスで【溶剤抽出法】が発明されます。揮発性溶剤とアルコールを使って芳香成分を取り出す 複雑な方法ですが、熱や水によって成分が損なわれることがないため最終的に取り出された芳香成分は「絶対的なもの純粋なもの」を意味するアブソリュート(Abs.)と呼ばれています。高い技術力で取り出されたアブソリュートは精油よりも純度が高く安定しており、香りも格段に繊細で自然の状態に近いものになりました。
グラースという天然香料の世界的産地を持つフランスは香水&香料業界ではリーダー的存在であり、より高い抽出技術を確立することでその地位を維持していこうとしました。また、世界的な合成化学の発展によるもう一つの発明によって、香料産業は大変革を迎えることになるのです。
エッセンシャルオイル…天然香料100%
アロマオイル…合成香料が含まれる
香りの違いについて
香りは軽い順に【トップノート】【ミドルノート】【ベースノート】というもので構成されています。
アロマは液体香料なので、お香よりも低い温度で香りが立ってきますが、一方、お香はその原料に木質分が多く、熱を加えないと本来の香りが出てきません。ベースノートより重いとされる【ボトムノート】が多く含まれています。お香はトップノートだけでは香りが出ないので、箱を開けた時と薫いた時では香りの印象が大きく異なります。
お香は「香木」を原料として香りを作っていて、アロマは植物から香り成分を抽出して液体香料を主に香りを作っています。下図のように最初に広がる香りのトップノート、そして次にトップノートが消える頃に香るミドルノート、そして、最後のベースノートの比率が異なり、お香は、最後に最も重いボトムノートが登場します。それが布などの多孔質の膜に付着することによって残り香が生まれます。
①トップノート:最初に広がる香り〈第一印象〉
②ミドルノート:トップノートが消える頃に香る〈香りの中心〉
③ベースノート:最も遅く広がる香り〈深みと安定感〉
④ボトムノート:ベースノートより重い香り〈火を通さないと出ない香り〉
お香もアロマ感覚で使えます!
お香といえば点火して使うイメージが強いものですが、火を使わない【常温で香るタイプ】や点火せず【温めて香らせるタイプ】もあります。それぞれ様々な用途で使われます。例えば・・・
など、この他にもいろいろなお香があります!お香・アロマそれぞれの良さと使い方を知り、より香りを楽しんでください。それでは、これからいろいろなお香の使い方をご説明いたします。
お香とアロマ、それぞれの使い方・楽しみ方
お香の使い方・楽しみ方
お香は【火をつけるタイプ】【温めるタイプ】【常温で香るタイプ】の3つのタイプに大きく分けることができます。
1.火をつけるタイプ
「お香」という言葉でもっともイメージされるタイプでしょう。香りの種類も一番豊富にあります。リビングや玄関などで自宅使いや、旅行先でお気に入りの香りを楽しむなど、どこへでも持ち運べてすぐに使えます。
代表的な形状はスティック型、コーン型、うずまき型の3種類。形状によって香りの広がり方や燃焼時間が違うので、目的や用途に合わせて使い分けることができます。
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2.温めるタイプ
直接火をつけずに、間接的に熱で温めて香りを広げるお香です。
煙が苦手な方や、煙なくお香そのものの純粋な香りを楽しみたい方におすすめのタイプ。
香炉という陶製の器を使ったりと敷居が少し高そうに感じますが、使い方は意外と簡単で香炉の中に灰を入れ、火をつけた小さな炭を灰の中にうずめてお香を灰の上に置きます。
最近は火も灰も必要ない電子香炉という香炉もあります。じんわりと温められたお香から、香り成分が気化して広がります。
3.常温で香るタイプ(火を使わないお香)
常温で香りの立つお香原料を刻み、混ぜ合わせて香りを作ったお香です。バッグや懐に忍ばせて香りをほのかに漂わせたり、衣服や手紙に匂いを移して「移り香」を楽しみます。
アロマの使い方・楽しみ方
アロマはお香には無い使い方・楽しみ方があります。
芳香浴(ほうこうよく)法
「お香に近い楽しみ方です。花やフルーツ、木の香りがするオイルを拡散させて香りを楽しみます。キャンドル等の熱源でオイルを蒸発させるアロマポットや、超音波で水を振動させてミストを発生させるアロマディフューザー、籐などのスティックを挿して香りを広げるリードディフューザー、ルームスプレー、サシェなど、様々な形態がございます。
その他の楽しみ方
エッセンシャルオイルを入れたお湯に入浴する沐浴法。精油成分を鼻や口から吸引する吸引法。フェイシャルスムースや湿布、トリートメントオイルを体や顔に塗布したりマッサージしたり…と、お香とは違う多種多様な使い方・楽しみ方がございます。
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